2025年10月19日に放送されたTBS系の報道番組「サンデーモーニング」が、再び大きな波紋を広げています。番組では、高市早苗総裁率いる自民党と日本維新の会による連立政権樹立の動きを特集。 この中で、ノンフィクション作家の森功氏が展開した持論に対し、視聴者から「あまりに民意を理解していない」「偏向報道だ」との厳しい批判がネット上で殺到する事態となりました。
番組では、自民党と維新が連立政権の樹立で大筋合意したニュースを取り上げ、維新側が絶対条件として「国会議員の定数削減」を突きつけたと報じました。 この政治の大きな節目に対し、各コメンテーターが見解を述べる中、森氏のコメントが特に注目を集めました。
森功氏が断じた「オンボロ船2隻の連立」
司会の膳場貴子アナウンサーから自民・維신連立への見解を問われた森氏は、開口一番、両党を痛烈に批判しました。
「簡単に言ったら自民も維新もかなりガタガタになってますよね。まあ泥船とは言わないけどオンボロ船ですよね。オンボロ船2つが一緒になっちゃったっていうそんなイメージで、次選挙やったらどっちも負けますよコレ…」
森氏はこのように述べ、両党の連携を「ボロボロの感じの連立政権がスタートした」と一蹴。自身の第一印象として、極めてネガティブな見方を示しました。
さらに、維新が掲げた「議員定数削減」という条件についても、「維新のオリジナルみたいに言われてるけど」と前置きし、この問題が長年議論されてきた経緯に言及。かつて中選挙区制で512人いた衆議院議員が、小選挙区制への移行などを経て現在465人まで削減されてきた歴史を解説しました。その上で、自民党の逢沢一郎選挙制度調査会長が「選挙制度調査会がずっと議論している」と述べていることを引き合いに出し、維新が臨時国会でいきなり実現を迫るやり方を「論外じゃないかっていう話が自民党から出てる」と指摘しました。
「立憲民主がありがたい」発言で炎上
森氏の持論はさらに続きます。この「オンボロ船」連立によって最も利益を得るのは、他ならぬ野党第一党の立憲民主党だという驚きの見解を披露したのです。
「はっきり言えば立憲民主なんかはありがたいんじゃないですかね。内閣不信任案出して解散ってことも十分あり得るし、自民や維新から抜けてくる人も出てくると思いますよ。そうすると今よりボロボロになっていくんじゃないかっていうのが今の印象ですかね」
この発言が、ネット上の批判に火を付けることとなりました。「自民・維新連立なら次は立憲民主党が政権を取る」というシナリオは、現在の各党の支持率や選挙結果を無視した暴論ではないか、という指摘が相次いだのです。
ネット上では、以下のような厳しい意見が飛び交いました。
- 「公正に見ているようで、自身の願望を語るだけの報道番組」
- 「自民と維新がオンボロ船なら、立憲は100年前に沈没した幽霊船じゃんね」
- 「あんたの言うようになっても、立憲に政権を求める人がいるのかな?」
- 「そもそも自民と維新がボロ負けしても、立憲が勝つことは絶対にないでしょう。参院選の結果をもう忘れてしまったんでしょうか?」
- 「この人(森氏)は民意を全く理解していない。選挙したら答えは出る」
- 「それで自民・維新が議席伸ばしたら金輪際TVに出るなよ。恥ずかしいから」
これらの批判の根底にあるのは、森氏の分析が客観的なデータや近年の選挙結果に基づかず、特定の政治的願望を反映しているように見える点です。特に、各種世論調査で支持率が低迷し、先の参議院選挙でも敗北した立憲民主党が、自民・維新から離反した議員の受け皿となり、政権を担うという予測は、多くの視聴者にとって現実離れしたものと受け止められました。
まとめ:乖離するメディアと国民感情
今回の「サンデーモーニング」における森功氏の発言とそれに対する批判は、一部メディアの論調と国民感情との間に存在する大きな溝を改めて浮き彫りにしました。
自民・維新の連立構想には、その政策や理念を巡って賛否両論があるのは事実です。 しかし、その批判が現実の政治状況や民意からかけ離れた願望論に基づいていると受け取られれば、それは「偏向報道」とのそしりを免れません。
森氏が予測した「立憲民主党への追い風」は、果たして現実のものとなるのでしょうか。それとも、多くのネットユーザーが指摘するように、メディアの描くシナリオと有権者の選択は全く別の結果を示すのでしょうか。来る総選挙が、その答えを示すことになります。
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